2010年9月28日火曜日

61.日本語のクラス(2)

サル山にボスが存在するように日本語集中コースのクラスにも一人ボス的存在の生徒がいました。香港から来ていた小柄なリーさんです。彼は常にクラスの最後部で足を前の机にのせ小さめのハンチングを被ってふんぞり返って座っていました。これだけ聞くと手に負えない厄介な生徒と思われそうですが、リーさんはとても協力的でやや癖のある日本語でクラス全員を取り仕切ってくれていました。私はリーさんのことを小さな王様と呼んでいました。

金曜日になるとリーさんから声が掛かります。「先生、今夜うちで飲み会をしますから来てください」と言います。彼の下宿に行くとクラスの全員がそろっていて歓迎してくれるのでした。みな一生懸命、習いたての日本語で会話をしています。私を交えて日本語会話の実習の場となっているのでした。ただ、フランスに駐屯していたことのあるクリストファーさんだけは私がフランス語を勉強していることを知っていつもフランス語で話しかけてきました。あまり熱心なので私も出来るだけフランス語で答えるようにしましたが皆が日本語で話す努力をしているのだから「日本語を使えよ」と言いたいところです。 するとすかさずリーさんが「ここでは、日本語、日本語!」と言ってクリストファーさんを窘め助け舟を出してくれるのでした。

毎週のように続いたこの金曜の飲み会は私にとっても楽しい憩いのひと時でした。日本でパチンコに凝ってしまいパチンコの機械を持ち帰ってきていた女生徒、又、宝塚歌劇団に夢中になっていた女の子がいること、そして一昔前にアメリカでも麻雀が大流行した時期があったこと等を知ったのはこの飲み会からでした。

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