私がシアトルのワシントン大学に留学をした頃「Ugly American」 と題する本がベストセラーになっていました。ホストファミリーのアンが読んでみなさいと貸してくれたので直ぐに読んでみました。海外、特に東南アジア方面で粗野で野暮なアメリカ人が相手方の歴史や文化を理解せず役に立たない援助等を行ってしまう様子を描いたノン・フィクションに近い物語であす。この本は後にマーロン・ブランド主演で映画化もされています。アメリカではケネディー大統領となりそんな反省も込めて極東の文化の理解に力を入れだしていました。ワシントン大学にも極東学部と言うのがあって中国語や日本語を学ぶ学生が数多く集まっていました。私もひょんなことから後にこの学部で日本語科の教員として雇われ一年間教壇に立つこととなったのです。又、ワシントン大学に「Center of Asian Arts」と言う研究機関が誕生し、日本からは後に人間国宝にもなられたような筝曲、尺八、狂言の一流の方々が招聘され文化交流にあたっていたのです。毎朝授業前の時間にはリスが走り回る木々の多い大学構内にいろいろな音楽が流されます。ある時ふと気が付くと聞こえてくるのは筝曲「六段の調べ」でした。こんな異国の地で「六段の調べ」が流れているなんて感激したものです。
後にお話しますが私はこの極東文化に力を入れる機運にいろいろな面で助けられたような気がします。その一つは奨学金がとりやすかったこと、そして物理専攻の学生のまま日本語教師としてとして大学に採用されて貰った給料のおかげで生活が楽になったことです。又、日本語を学ぶ多くのアメリカ人学生と仲良くなり楽しい彼らの飲み会にしばしば招待され楽しい学生生活が送れるようになったことです。
0 件のコメント:
コメントを投稿