2010年7月9日金曜日

32.冬学期始まる

アメリカにはクリスマス休暇はあっても日本のような正月休みはありません。元日は休日となりますが2日からは平日であれば仕事が始まります。学生も同じです。そんなわけで大晦日は親しい日本人留学生達とちょいと一杯やるぐらいで過ぎてしまいました。少しだけ正月気分を味わえるのはシアトルの日本語ラジオ放送から流れてくる「明けましておめでとうございます」の言葉ぐらいです。日曜日にはよく日本語放送を聴いたのですが普通の日は現地英語放送のポピュラーミュージックの番組を聴いていました。その頃急に流行ってきたのが坂本九の「上を向いてあるこう」でした。もっともラジオでは「カユ・サカモト、スキヤキ(時にはスキヤカとも発音されていました)ソング」と紹介されていました。やはり懐かしいのでうれしく感じたものです。

さて話を学業に戻しましょう。1月に入るとすぐ始まる冬学期の選択科目を決めなければなりません。奨学金をもらうためにはGPAを下げるわけには行きません。数学は秋学期の続きの2科目を取り、物理は日本でも少し勉強した力学と熱力学を選び、更にGPAを上げるため自信のあったフランス語の中級コースを選びました。いよいよ私にとっての第二学期が始まりました。フランス語はサルトルの本が教材でした。フランス語そのものより哲学的な内容のほうが難解でした。数学は問題なかったのですが物理は授業の進み方が早く宿題に終われる日々でした。ただ一度だけ力学の教材で「・・・はニュートンの法則と相容れないところである」との記述を見つけ教授にどの部分が矛盾するのか質問したところ「このクラスで計算問題の質問ではなく物理の根幹に関わる質問をしてきたのは君が始めてだ」と変な褒められ方をしました。私としては古典物理学が行き詰って出てきた現代物理学を学ぶために留学したのですから当然な質問だったのでした。この冬学期のさなか私の生活に大きな転機が訪れました。

0 件のコメント: