2010年7月23日金曜日

48.愛犬トップスとのお別れ

歳をとっていたトップスは段々家の中で粗相をするようになってきました。ところ構わず臭い大便をするのです。しかも一回にする量が多く数箇所に大きいのをたらします。その処理はすべてハウスボーイの私がやることになります。まず盛り上がった糞の塊を取り払い、絨毯についた跡を洗剤で洗い落として臭いけしをかけるのです。問題はそれが私の仕事の時間外に起こることが多いと言うことです。試験前の夜にでも当たったら落ち着いて勉強も出来ません。

トップスは糞だけでなく良く臭い「おなら」もするようになっていました。ある日トップスがおならをした時、私はたまたま近くにいたリチャードソン夫人に「Tops farted!」と告げました。夫人は「今何と言った?」と言うので「Farted」と言うと「その言葉は何処で覚えたの?」と訊ねられました。正直に日本にいたとき辞書で覚えたのだと言うと、それならしょうがないわねと言う顔をして夫人が説明してくれました。「fart」は卑しい言葉で人前で使ってはいけない。言うなら「break wind」と言いなさいと。「break wind」がおならをするという表現なら「fart」は屁をひると言う言い方で一種のfour-letter wordであることを知ったのはトップスのおかげと思っています。

それから間もないある日のこと大学から戻ってくるとトップスの姿が見当たりません。何処へ行ったのかと思ってリチャードソン夫人に尋ねると「トップスはもういません。今日獣医さんのところで注射をうってもらって安楽死させました」と教えてくれました。私が粗相の始末をいやな顔をしてやっていたのでこうなってしまったのかと思うとたまらない気持ちになりました。

その次の日、大学から戻ってくるとリチャードソン夫人の足元をグレイ色の小さなプードルが走り回っていました。この犬の名前は覚えていないのです。なぜなら名前を覚える間もなく私自身がリチャードソン家から去ることになったからです。

1 件のコメント:

ぼくあずさ さんのコメント...

米国では老いたペットを安楽死させると聞いたことがあります。事実なのですね。